フランス野球界では吉田義男さんはレジェンドなんです。巷にあふれるレジェンドとは各が違いますよ。
私が一番尊敬する野球人は吉田義男さんです。大ファンです。
フランスは関係ないのですが、大ファンです。
フランス時代の吉田義男さん
吉田義男さんは今のところ最後の阪神タイガースの日本一の監督です。
1985年の日本一の後、成績が低迷して退任してからフランス代表の監督になった話は意外と知られていません。
最初に パリ大学クラブ Paris Universite Club (以降PUC)の監督になり、その後フランス代表の監督になりました。最初から代表監督ではなかったんですね。
まだWBCなんてない時代です。中南米の国がWBCの期間に元メジャーリーグの監督を一時的に雇うのと違い、吉田さんはパリに住んで指導をしました。
そうでなければ試合数が少ないと言えPUCでのリーグ戦の指揮はできません。
こんな逸話があります。フランス人たちは小柄な年配の東洋人の吉田さんを見て、最初は本当に野球選手だったのか信じられず、ショートからのダブルプレイの見本を見て目を丸くしたそうです。「すごくないか?このおじさんは」と言ったとか。
NPBの最高のショートは吉田さんと言われています。守備の名手で牛若丸との異名もありました。フランス人が驚くのも無理はありません。
また、こんな話もフランス代表の監督時代にレベルの高い試合を選手に見せようと甲子園にフランス人を連れて行ったところ、周りが「吉田さん。監督。」と言ってサインを求められているのを見てこんな凄い人に俺たち教えられているのかとフランス人は思ったそうです。
フランスと日本が逆だとJリーグ開幕前にプラティニが日本で監督になるようなものです。
吉田義男さんの奮闘記
フランス時代の奮闘をある作家が『“ムッシュ”になった男?吉田義男パリの1500日』で書いています。
実はこの作家は有名な野球選手の息子に当たる人です。誰だと思いますか?
川上哲治さんのご子息の川上貴光氏です。巨人の監督の息子がなんと阪神タイガースの監督の奮闘を書いているのです。普通ならば周りは反対すると思いますが・・・ それだけ内容が素晴らしいのです。 私も感動しましたよ。この本には。
想像ですが 川上哲治さんも阪神がライバルとか言わずに素晴らしいと言ったと思います。お金や名誉ではなく本当の野球好きの話が書かれています。何かに打ち込む時にそこにはお金や名誉は関係ありません。ただ夢中なるほど好きだからそれこそが唯一の最大の理由だと教えられます。
フランス野球界では吉田さんを知らない人はいないと言えます。フランスでの国際大会が吉田CUPと言うくらいです。サッカーにたとえるならばキリンカップが吉田カップと言う感じです。もちろん殿堂入りしています。 サッカーのジーコの奮闘となんだか似ていないでしょうか?
日本人でこんな野球人は存在しているでしょうか?
後に続く指導者が出ることを願ってやみません。
清水直行さんの挑戦
最近、清水直行(ロッテのエースでした)さんがニュージーランド代表のコーチとしてWBC予選を戦ったそうです。ご自身が本にまとめて出版しています。NPBが(各球団でも良いと思いますが)ヨーロッパやアジア諸国に監督コーチを派遣するというのはどうでしょうか。
その結果、何年後かにタイやフランスで巨人や阪神の帽子を被った子供たちが見られるかもしれませんね。
シンガポールと台北に行った時、マンチャスターユナイテッドの帽子を被っている人は沢山いましたが、 巨人や阪神 を被った人は誰もいませんでした。野球が盛んな台湾でも マンチャスター・ユナイテッドです。
グッズ収入や放映権も考えるとアジアやヨーロッパはマーケットして有望ですし、東南アジアとヨーロッパは日本ブームですからチャンスは大いにあります。
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